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胃痛でお悩みの方へ もしかして機能性ディスペプシアかも?

「胃もたれが続いてスッキリしない…」
「キリキリするみぞおちの痛みが気になる…」
 「少し食べただけなのに、もうお腹がいっぱい…」
このような胃の不調に長く悩まされている方はいらっしゃいませんか?
何度も病院で検査を受けたけれど、「異常なし」と言われた。でも、やっぱり辛い症状は続く…。 「気のせいかな?」「どうせ治らないのかも…」と、諦めかけてはいませんか?
もし、あなたが検査で異常が見つからないにも関わらず、胃の不調に悩まされているなら、それは「機能性ディスペプシア」かもしれません。
機能性ディスペプシアは、決して「気のせい」ではありません。医学的に診断される、れっきとした病気です。そして、適切な診断と治療によって、症状の改善が期待できる病気でもあります。
当院では、このような機能性ディスペプシアの症状でお悩みの皆様に寄り添い、お一人おひとりに合った治療を提案しています。
 
機能性ディスペプシアとは?「異常なし」なのに辛い理由
機能性ディスペプシアは、胃カメラ検査や採血などの詳しい検査をしても、胃や十二指腸に炎症や潰瘍といった明らかな病気が見つからないにも関わらず、胃もたれやみぞおちの痛みといった不快な症状が慢性的に続く病気です。
日本では多くの人がこの症状に悩んでいると言われており、決して珍しい病気ではありません。「異常がないのに、どうしてこんなに辛いんだろう…」と感じる方も多いですが、これは胃の機能そのものに問題が生じているために起こる症状なのです。
 
こんな症状に心当たりはありませんか?機能性ディスペプシアのサイン
機能性ディスペプシアの症状は、人によって様々です。主な症状としては、以下の4つが挙げられます。
食後膨満感(しょくごぼうまんかん): 食事をした後に胃が重く感じたり、お腹が張ったりする感覚が長く続く。
早期満腹感(そうきまんぷくかん): 食事を始めてすぐに、少量しか食べていないのに満腹になってしまい、それ以上食べられなくなる。
心窩部痛(しんかぶつう): みぞおちの辺りが痛む。キリキリ、シクシク、ズーンとした痛みなど、表現は様々。
心窩部灼熱感(しんかぶしゃくねつかん): みぞおちの辺りが焼けるように熱く感じる。
これらの症状が、ここ数ヶ月の間に週に数回以上あり、日常生活に影響が出ている場合、機能性ディスペプシアの可能性が考えられます。これらの症状は、逆流性食道炎や胃潰瘍といった他の病気でも起こり得ます。だからこそ、まずはしっかりと検査を行い、他の病気ではないことを確認することが非常に大切なのです。
 
なぜ機能性ディスペプシアは起こるの?
検査で異常が見つからないのに症状が出るのは、胃や脳、神経の働きに原因があると考えられています。機能性ディスペプシアは、一つの原因で起こるのではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合って発症すると言われています。
考えられる主な原因は以下の通りです。
胃の動きの異常: 食べ物を胃の中に溜めたり、十二指腸へ送り出したりする胃のポンプ機能や蠕動(ぜんどう)運動がうまくいかない。
胃や腸の知覚過敏: 胃の中に食べ物が入ったり、胃が伸びたりする刺激に対して、必要以上に痛みや不快感を感じやすい状態。
脳と胃腸の連携の乱れ(脳腸相関の異常): 脳と胃腸は自律神経などを介して密接に連絡を取り合っています。この連携が乱れると、胃の不調として症状が出やすくなります。ストレスはこの脳腸相関に大きな影響を与えます。
生活習慣やストレス: 睡眠不足、不規則な生活、精神的なストレスなども、胃の機能に悪影響を及ぼすことが知られています。
過去の感染症: ピロリ菌に感染していたことがある方や、ウイルス性・細菌性の胃腸炎にかかったことがある方も、機能性ディスペプシアを発症しやすいという報告があります。
これらの要因が複合的に関わり合い、あなたの辛い症状を引き起こしている可能性があるのです。
 
機能性ディスペプシアの検査
機能性ディスペプシアの診断で最も重要なのは、他の病気(胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など)が原因で症状が出ている可能性を排除することです。そのため、胃カメラ検査が非常に大切になります。
「胃カメラは苦手だな…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、症状の裏に隠れた重大な病気を見逃さないためにも、一度しっかりと検査を受けておくことは、ご自身の安心のためにも非常に重要です。
当院では、患者様の負担に配慮した胃カメラ検査を行っています。経験豊富な医師が、患者様の状態に合わせて丁寧に検査を進めますので、安心してご相談ください。
 
機能性ディスペプシアの治療
機能性ディスペプシアの治療は、患者様お一人おひとりの最も辛い症状や、考えられる原因に合わせて 患者様に合わせて個別に行われます。
治療の目標は、辛い症状を和らげ、日常生活の質を改善することです。主に以下の方法を組み合わせて行います。
薬物療法:


胃の動きを活発にするお薬
胃酸の分泌を抑えるお薬(胃酸が刺激になっている場合)
消化を助けるお薬
胃の知覚過敏を和らげるお薬
漢方薬
必要に応じて、脳腸相関の乱れを整える目的で、少量のお薬を使用する場合もあります。
これらの薬は、症状をピンポイントで抑えたり、胃の機能を正常に近づけたりするために有効です。


生活習慣・食事の見直し:


規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、食事時間もなるべく一定にしましょう。
食事の内容: 脂っこいもの、刺激物(辛いもの、熱すぎるもの、冷たすぎるもの)、アルコール、カフェインなどは症状を悪化させることがあります。バランスの取れた食事を心がけましょう。
食べ方: 一度にたくさん食べず、少量ずつ回数を分けて食べるのも有効な場合があります。よく噛んでゆっくり食べることも大切です。
禁煙: 喫煙は胃の血流を悪くし、症状を悪化させる可能性があります。
適度な運動: ストレス解消にもつながり、胃腸の動きを整える助けになります。
 
ストレスケア:


ストレスは機能性ディスペプシアの大きな要因の一つです。自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。趣味の時間を作る、リラクゼーションを取り入れる、十分な休息をとるなど、心と体をリラックスさせる時間を作りましょう。
 
宝塚市で機能性ディスペプシアにお悩みなら、なかすじR内科・内視鏡クリニックにご相談ください

当院では、患者様の「辛い」というお気持ちを何よりも大切にしています。丁寧な問診でと必要な検査をしっかり行い、症状の原因を一緒に探っていきます。機能性ディスペプシアは、すぐに劇的に改善するという病気ではないかもしれませんが、適切な投薬治療と生活改善によって、症状をコントロールし、快適な毎日を取り戻すことは十分に可能です。
「どこに相談したら良いか分からない」「検査で異常がなかったから、もう諦めるしかないのかな」
もしあなたが宝塚市でそのように思っているなら、ぜひ当院にお越しください。

日本消化器病学会 患者さんとご家族のための機能性ディスペプシアガイド 2021