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下痢や腹痛、血便などの症状にお悩みの方へ もしかして潰瘍性大腸炎かも?

「もしかして、潰瘍性大腸炎かも?」

繰り返す腹痛や下痢、そして時には 血便といった症状にお悩みではありませんか?
なかなか人に相談できず、不安な日々を過ごされている方もいらっしゃるかもしれません。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる原因不明の病気です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すため、日常生活に大きな影響を与えることも少なくありません。しかし、適切な治療と自己管理を行うことで、症状をコントロールし、穏やかな生活を送ることは十分に可能です。

潰瘍性大腸炎に悩む皆さまが、病気と向き合い、前向きに生活を送るための情報を分かりやすくお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、安心して当院にご相談ください。

潰瘍性大腸炎とは?知っておきたい基礎知識

私たちの体には、食べた物を消化・吸収し、不要なものを排出する大切な器官である「大腸」があります。潰瘍性大腸炎は、この大腸の内側の粘膜に炎症が起こり、ただれたり(びらん)、傷ができたり(潰瘍)する病気です。

原因はまだ特定されていませんが、免疫の異常や遺伝的な要因、腸内細菌のバランスの乱れなどが複雑に関わって発症すると考えられています。決して珍しい病気ではなく、日本でも多くの方がこの病気と向き合っています。

主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 腹痛: 慢性的に、または たまに起こる下腹部の痛み
  • 下痢: 水のような便や、粘り気のある便が続く
  • 血便: 便に血が混じる、または 血便のみが出る
  • 頻便: 何度もトイレに行きたくなる
  • 倦怠感: 体がだるく、疲れやすい
  • 体重減少: 食欲不振などにより体重が減る

これらの症状は、病気の活動期(悪化している時期)に強く現れやすく、症状が落ち着く寛解期(良くなっている時期)にはほとんど感じなくなることもあります。しかし、放置すると炎症が広がり、重症化するリスクや、他の合併症を引き起こす可能性もあります。

 

潰瘍性大腸炎の症状に気づいたら?

もし、上記のような症状に心当たりがある場合は、自己判断せずに、できるだけ早く専門の医療機関を受診することが大切です。「様子を見よう」と我慢してしまうと、病気の発見が遅れ、治療が長引いてしまうこともあります。

特に、以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 激しい腹痛
  • 持続的な高熱
  • 大量の血便
  • 急な体重減少

消化器内科は、大腸をはじめとする消化器系の病気を専門とする診療科です。
当院では専門的な知識と経験を持つ医療機関がありますので、安心してご相談ください。

当院の潰瘍性大腸炎に対する診療方針

当院では、潰瘍性大腸炎にお悩みの患者さん一人ひとりに寄り添い、丁寧な診療を心がけています。

1.診察

初診時には、患者さんの症状や経過、既往歴、生活習慣などを詳しくお伺いします。不安なことや心配なことがあれば、遠慮なくお話しください。

2. 各種検査

正確な診断を行うために、血液検査、便検査、そして必要に応じて大腸内視鏡検査を行う可能性があります。

  • 血液検査: 炎症反応や貧血の有無などを調べます。
  • 便検査: 便中の炎症物質や細菌などを調べます。
  • 大腸内視鏡検査: 肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜の状態を直接観察します。組織の一部を採取して詳しく調べることもあります。当院では、鎮静剤を使用し、患者さんの苦痛に配慮し、 検査を受けていただけます。

3. 包括的な治療

潰瘍性大腸炎の治療は、薬物療法を中心に、食事療法や生活指導などを組み合わせた包括的なアプローチが重要です。

  • 薬物療法: 炎症を抑えるお薬(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイドなど)、免疫の働きを調整するお薬(免疫調節薬、生物学的製剤など)を、患者さんの症状や病状に合わせて適切に選択し、使用します。
  • 食事療法: 消化しやすく、腸に負担の少ない食事を心がけることが大切です。 状況に合わせて、食事指導を行います。
  • 生活指導: ストレスを避け、十分な睡眠を確保するなど、規則正しい生活を送ることが症状の安定につながります。

4. 地域医療機関との連携

必要に応じて、地域の基幹病院や他の医療機関と連携し、患者さんにとって最適な医療を提供できる体制を整えています。

潰瘍性大腸炎との向き合い方

潰瘍性大腸炎の治療目標は、症状を抑え、 生活の質を向上させることです。根治は難しい病気ですが、適切な治療を継続することで、症状のない寛解期を長く維持することができます。特に症状が軽いうちに治療することでその後の生活の質に大きくかかわってくるので、気になる症状が続くようならためらわず早めの受診をお勧めします。

薬物療法は、治療の中心となります。炎症の程度や症状に合わせて、内服薬、坐薬、注腸薬、注射薬などが用いられます。近年では治療薬も大きく進歩したため、適切な治療を受ければ病状はコントロールしやすくなりました。

医師の指示に従い、決められた用法・用量を守って使用することが重要です。自己判断で薬を中止したり、量を変更したりしないようにしましょう。

食事療法では、一般的に以下のような点に注意すると良いでしょう。

  • 消化の良いものを食べる(柔らかく煮込んだもの、粥、うどんなど)
  • 食物繊維の少ないものを選ぶ( 活動期には特に)
  • 刺激物を避ける(香辛料、アルコール、カフェインなど)
  • 乳製品や脂質の多い食品は控えめにする
  • 水分を摂取する

ただし、食事療法は症状や体調によって異なります。

日常生活では、以下の点に注意しましょう。

  • ストレスを溜めない: 適度な運動や趣味の時間を持つなど、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
  • 十分な睡眠: 規則正しい睡眠を心がけ、体の力を維持しましょう。
  • 禁煙: 喫煙は 症状を悪化させる可能性があります。
  • 体調管理: 日々の体調の変化を記録し、受診時に医師に伝えましょう。

宝塚市で潰瘍性大腸炎にお悩みなら、当院にご相談ください

潰瘍性大腸炎は、一人で悩まず、専門医と一緒に向き合っていくことが大切です。腹痛や下痢、血便などの症状にお悩みの方、または他院で潰瘍性大腸炎と診断されたものの、今後の治療に不安を感じている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

私たちは、患者さん一人ひとりの 症状に合わせた丁寧な診療を行います。

参考文献

  • [日本消化器病学会 潰瘍性大腸炎・クローン病診療ガイドライン
  • [厚生労働省 определенные chronic diseases情報]